「航くん、大好きだよ」

「俺も紗千のこと好きだよ。いつもありがとう」

大好きな笑顔で笑う。

いつも、いつも。

この会話は変わらない。

好きだよ、航くんの彼女になりたいよ。

そういう意味も込めて好きって言っているのに、いつも流される。

「じゃあ、学校行くね」

受験組の航くんは自由登校になっても学校へ行っていた。