王子様、ただいま真面目ちゃんを独占中



「流川くん。」


すると流川くんは振り向いて、首を傾げた。


「染葉さんも分からないところあったら教えるけど…?」
「えっと…ありがとう!」


感謝を伝えるのは大切だもんね!
感謝した側もされた側も嬉しくなってWIN & W ……?


「流川くん、どうしたんですか?」


流川くんは私の顔を見てぼーっとしていた。

けど、私の声にハッとした様子で、「何でもないよ」と、いうように首を横にふっている。

そして顔の位置を私の耳のすぐ横にした。


「それよりも染葉さん。僕も分からないところがあるから、放課後図書室で教えてくれないかな?」


ま、待って!し、し、心臓に悪い…。
果てしなく美形の顔がすぐ横に…。
声で耳がくすぐったいし…!

というか、流川くんに分からないところは私にも…。