王子様、ただいま真面目ちゃんを独占中



勉強しか、トリエガナイ…。

勉強は私の長所の一つ。
でも、それが私の全て?


考えがぐるぐる頭の中を回っている。


くるくる、くるくると。

怒鳴り声の一つ一つのフレーズが、私をチクッと刺して耳から抜けていく。


「だから、染葉さんの──」


必死に、混乱の涙を隠しながら私は唇をキュッと噛んだ。

次、私にかかる言葉に身構えて。

───でも、罵りの声が私に届くことはなかった。


「しー、静かに。」


流川くんが、相手の唇に人差し指を立てていた。


何で──?


「でも陸!」
「染葉さんは悪くないでしょ?」