王子様、ただいま真面目ちゃんを独占中

突然のクレームに、私は少し焦りながら説明を続けた。


「えっと、さっきも言ったようにこれは。」
「だーかーら!それじゃ分からないって言ってるんでしょ!」


大声に体をビクッと震わせる。


「染葉さんの教え方が悪いの!」
「ごめ…」
「ほんと意味わかんない!」


ごめんなさい…。
でも私が嫌なら他の人に聞けばいいんじゃ…?  

でも彼女がわかってないのは事実だし…。
これは私の落ち───


「勉強しか取り柄がないのに、それすらできないの⁉︎」


──え…?私、そんなふうに思われてたの?


ガーンと、頭を殴られた気分。