「えり、何かアイデア出してくれよ。なんのために読んだかわかんないだろ?」

「……」

「えり?」

「あ、ごめん。なんだっけ?」

置物を見つめていたら、けーちゃんが近寄ってきたことに気づかなかった。

「いや、なんでもない。欲しいものでもあったのか?」

「うん。あげたいなって思って……」

「なんだなんだ?好きなやつでもいるのか?」