君とゆっくり恋をする。Ⅱ【第6話完結しました】(短編の連作です)




——……今、『好き』って言った?俺のこと?


敏生は起き上がって確認するどころか、体が硬直して微動だにできなかった。普段は冷静に答えを導き出す思考も、動転していて制御不能だった。


「同じ会社になって再会して、こうやって二人で話せるようになって、あのときよりももっとずっと好きになったの。……バレンタインでチョコ渡すだけじゃ、やっぱり伝わってないみたいだけど……」


敏生の疑問に答えるような結乃のさらなる告白を聞いて、敏生は息をするのも忘れた。

あまりにも都合のいい内容に、これが現実なのかそうじゃないのか分からなくなる。


ユノを拾って帰った小雪がちらつく寒い日。あの日から、敏生はどれだけ結乃を想ってきただろう。
だけど、あの日からずっと、結乃も想ってくれていたなんて……。
とても長い年月だったのに、お互いにずっと想い合っていたなんて……。


「でもね……たとえ、芹沢くんと想いが通じ合えないままでも、今夜のことはずっと死ぬまで忘れない。だって、芹沢くんと手を繋いで、あんなに綺麗な花火を見ることができたんだもの。……私の、一生の宝物にする」