冬弦高校に転校してきてから、約一ヶ月が経って、ひまりちゃんや伊藤くん以外にもたくさん友達ができた。

「はるちゃん!ひまちゃんも、一緒にお昼食べよう!」

そう言いながらお弁当を持って近ずいてきたのは、同じクラスのみかちゃん。

付き合いはじめてもうすぐ三年が経つ彼氏さんがいるらしく、よく仲良さそうに話している姿を見掛ける。

「うん!今行くね、みかちゃん」

「みか、彼氏と食べなくていいの?」

「いいのいいの!毎週火曜日は二人と食べる日にしてるから!」

みかちゃん……っ!

優しい友達に恵まれて私は幸せ者だなぁ……。

          * * *

「テスト範囲表配るよー」

「せんせー、やめましょー」

「テストなんて無意味ですって!」

その日の放課後、先生のその言葉で生徒たちのブーイングが始まる。

もうそんな時期なんだ……。

私の通っていた高校は、もう少し後だったような気がするけど、ここでは早めに行うらしい。

「テストって何回しても慣れないよね……」

そう言いながら隣の席の伊藤くんに同意をもとめようと、隣を見る。

「う、うん……そうだね……なれないよね……はははははは……」

……こ、これは……。

「だ、大丈夫……?」

「だ、大丈夫……?大丈夫……」

だ、だめだ!