私に残された365日はとても、輝いていた

そう思い出した所で、病室のドアが勢いよく開いて、圭介さんと伊藤くんが入ってくる。

「はるちゃん!大丈夫⁉︎」

「は、はいっ!大丈夫です」

圭介さんにも心配かけちゃった……。

でも私、ジェットコースターで気絶するほど苦手だったけ……?

なんなら、小さい頃は好んで乗っていたような気がするけど……。

「お医者さんは、特に異常はないって言ってた」

異常がないと言われたら安心するものなのに、圭介さんはまだ浮かない顔をしている。

「圭介さん、どうかしたの?」

「……っ、え?ど、どうして……?」

「浮かない顔をしてたから……」

私がそう言うと、圭介さんはあらかさまにうろたえだす。

そんな様子を伊藤くんも感じとったみたいで、顔が険しくなる。

「何か、あるんですか?」

「……これから話すことは、他言無用で頼むよ」

伊藤くんと私の押しに負けたのか、圭介さんは渋々口を開く。

「少し前に、はるちゃんの両親とはるちゃんは事故に遭っただろ?その時に、はるちゃんはその時に一度、死んでいるんだ」

え……?

私、が、もう、死んでる……?

「で、でもっ、磯田さんはちゃんと生活できてるし……」

伊藤くんも困惑しているみたいで、ところどころ噛んでしまっている。

「うん。今のはるちゃんは、周りの人と変わらない。普通に生活できるし、運動もできる」

圭介さんはただ……と言葉を続ける。

「はるちゃんは、はるちゃんの両親の願いで生き返ったんだ」

お母さんと、お父さんの願い……?

「そんなファンタジーな……」

伊藤くんは信じられないと言うように首を振る。

「それが、有り得るんだよ……。ただし、二人の願いで伸ばされたはるちゃんの寿命はたったの一年間。……つまり、来年の、三月八日まで」

三月八日って、事故があった日……。

「今日のことは多分、その前触れなんじゃないかな……」