「用事って何?」

「その前に何で髪の毛濡れてるのよ」

「ん?ああ、シャワー浴びてた」

「もうっ。陽葵ちゃんもいるんだからちゃんとしなさい」

「いや、母さんが来るからだろ」


なんでもない日常的な会話なのに、小学生の頃を思い出して思わず笑ってしまった。


ふふ、懐かしいな。この光景。



「はいこれ」

おばさんは持っていた大きな袋をそのままゆうくんに渡した。


「何これ?」

「祐介だけのじゃないからね」

「??」

と、いうことは私のも?


ゆうくんと同じように袋の中を覗いてみると、中には菓子パンや冷凍食品、お肉などの食べ物がいっぱい入っていた。



「本当は陽葵ちゃんを家で預かりたかったんだけど、明日から旅行だから」

おばさんは眉毛を下げて、困ったように頬に手を当てる。