「ほんと幸せそうだよね」

ショートケーキを頬張る私に、ゆうくんはクスクスと笑った。


「えへへ、美味しいんだもん」


いちごが大好きだけど、ゆうくんのレアチーズケーキも美味しそうで。

見てるとヨダレが出ちゃいそう。


「食べる?」

「い、いらない……!」

ギュンッと顔を背ける。


だってコレはゆうくんと一緒に楽しく食べようとしてたケーキだから、いつものように私が食べてたら意味がないの。


見ちゃうと欲しくなっちゃうからなるべく見ないようにしてたら、ゆうくんが笑って。


たぶん、きっと、バレてる。

だけど我慢!!



「陽葵、ほら。あーん」


うぅぅぅ。

そんなことしちゃうと食べたくて、だけどコレはゆうくんので。


自分の中で葛藤する。


「ほーら」


うぅ……。


そんな優しい声で言わないで。

誘惑に負けてしまう。