「陽葵、その辺にしときなさい」

テーブルで雑誌を読んでいたゆうくんが、ソファにいる私に声をかける。

怒ってる口調じゃなくて心配してるような。


「ん、ゆぅきゅん……」


口いっぱいに詰め込んでるせいで上手く話せない。


「えー!もう終わり!?」


喋れなくした犯人が私の隣で駄々をこねる。


たこパが終わって、各々ゆったり過ごしていると蓮くんに「チョコ食べようよ」と言われた。

ちょっとだけなら……と、思った私がバカだった。


蓮くんは「ゲロ甘」って言って1口で終わったんだけど、美味しくてもうちょっとだけ……もうちょっとだけ。
それをズルズル繰り返してると、蓮くんに目をつけられたのだ。


「陽葵ちゃん、あ〜ん」

なんて言って、いちごチョコを私の前に持ってくるものだから、食べないわけにもいかず。