朝起きるとゆうくんはベッドからいなくなっていた。

夜中に目が覚めたとき、ゆうくん自身も寝てるはずなのに、手だけは離れてなかった。

ほんとにずっと握っててくれたゆうくん。


へへ

思い出すだけで胸がフワフワする。


着替えてリビングに行くと、ゆうくんの声が聞こえた。

電気がついてないリビングは曇りのせいか薄暗い。



「はい。わかりました。はい……はい。では、また後ほど」

「こんな朝早くに電話?」


スマホを握りしめたゆうくんは、ボーッとしるのか返事が返ってこなかった。


「……ゆうくん?」

「えっ、あ……」


振り向いたゆうくんは、どこか元気が無いように見えて……。

どうしたんだろう……?



「今日、親御さんが迎えに来るって」

「えっ!?何で?予定日はまだ先じゃあ……」