青い空に浮かぶ大きい入道雲。
セミの鳴き声が夏の暑さを強調させる。


「ふぅ……」

額から流れる汗。

麦わら帽子をかぶってるお陰で、少しは暑さも凌げてるはず。



私、水瀬(ミナセ)陽葵(ヒマリ)は訳あって幼なじみの家に向かっている。




事の始まりは夏休みに入って、2週間経った日だった。



お父さんが1ヶ月海外に出張することになったのだ。


夏休みという事もあり、お母さんの提案で家族3人で海外に行く事になった。

もちろんお父さんは仕事で行くから、私達は別でホテルを取って観光。



その予定だったんだけど……。

急な出張と夏休みの時期という事で、どこのホテルも満室になっていた。


唯一あるのはビジネスホテルの1部屋だけで。2人が泊まるにはとてもじゃないけど無理だった。