「わっ」

ずるっと足が滑った。

それを戸惑いながらも受け止めてくれたのが、私の好きな人。

名前は、佐々木拓海。

学年で1位2位を争うほどモテる男の子。

「大丈夫?」

「あ、はい……。すみません、ありがとうございます」

その声が優しくて。

気づいたら目で追うようになっていた。

高校1年生の頃に出会った彼は違うクラスで、そのときは名前も知らなかった。