死にたい僕と死んじゃう君のバレンタイン

手を天井に伸ばして、上を見上げる。

そう言ってから、また暗い顔にさせてしまったかもしれないと、心配になった。

「それいいな。俺も横いっぱいある部屋に行きたいよ」

そう言いながら笑っているけんちゃんに安心する。

「だよね!けんちゃんもそう思う?」

「ああ。俺もチョコ大好きだから」

嘘だ。

昔から変わっていないのなら、けんちゃんはチョコを好んで食べる人ではない。