「へー。じゃあ今日は健ちゃんといっぱい喋れるね!」

さっきまで暗い気持ちだったことを隠すように、手を叩いて喜ぶ。

これはふりじゃない。

ベッドのそばにあった椅子に腰掛けたけんちゃんが、少し困っているように見えた。

「けんちゃん、学校どうだった?」

「いつも通り。楽しくなかったよ」

「そう……。あ、もうすぐバレンタインだね」

私は、けんちゃんを暗い気持ちにさせてしまって焦ってバレンタインのことを言ってしまった。