クローバー

 森林公園と言うだけあって普段俺たちが住んでいる都会と比べると、緑が沢山で心地良い。

上を見上げれば木々の葉から射し込む木漏れ日が綺麗だし、鳥が可愛く鳴く声も心が落ち着く。

こういうのを森林浴って言うんだろうか?

道も舗装はされてい無いけれど割かし綺麗に整備されているから歩きやすい。

しばらく歩くと少し拓けた場所に出た。

円形に芝生が広がっていて心地よい太陽の光が射し込んでいる。

「ここ、休憩には丁度良いな。」腕時計を見るともうすぐお昼だ。「なぁ天音。ここでお昼にしないか?」

「うーんそうだねっ!広くて解放感あるし、レジャーシートもあるから大丈夫だし。お昼にしよっか!」

俺は天音のリュックからレジャーシートを取り出して広げて敷いた。シートの上にリュックを降ろして大きく伸びをして胸一杯に空気を吸い込んだ。

天音も隣で俺の真似をしていたが胸一杯に空気を吸い込んだところで、げほっげほっ。と咳き込んだ。

その様子が可笑しくて俺は笑った。

そんな俺を見て天音は頬を膨らませて怒った。本気かどうかは分からないけど。

「そんなに笑わなくてもいいじゃん〜!お婆ちゃんみたいだな。とかって思ってるんでしょー!?もぉひっどいなぁー。」

「そこまで思って無いよ。ただ。」

「ただ??」

「何て言うかさ、最初はどうなるかと思ったけど来て良かったよ。」