クローバー

このリュックが重たい訳が分かった。

「やっぱりちょっと持ってきすぎたかな?あはは…。」

「どう考えても持ってきすぎだ。こんなのリュックに詰めてて母親にツッコまれなかったのか!?」

「なーんにも言われなかった。てか、お母さんいないし。」

いけない事に触れた気がして俺は謝った。

「ごめん。余計な事言った。」

「別に謝るほどの事じゃないよ。それより、ちょっと休憩したら行こうね。」

明るい天音に俺は安心した。

喉を鳴らして水を飲み、元通りにカバンに戻した。

リュックに詰め直していて気づいたけど、ちゃんと紙コップが入っていた。他にも絆創膏とかゴミ袋とかレジャーシートとか沢山のあると便利な物が。

口には出さなかったけど、天音が1人で考えてこれ等を用意したんだと思うと偉いって思うし感心した。

「よし!じゃ、出発しよっか!目的地は…マイナスイオンが溢れてる滝ぃ〜!!」

「おう!行くか。」

天音は俺の事を優しいって言ったけど、なんか本当に優しいのは天音の方な気がする。