クローバー

天音と走ったおかげで公園までは10分とかからなかった。

俺は重たいリュックを背負って走ったせいで、じんわり汗をかいた。

公園の入り口にある遊歩道の案内図を見てはしゃいでいる。これじゃ天使というかただの子供だ。

「すっごーい!滝があるみたいだよ!マイナスイオン浴びたーい!」

「天音…っ!ちょっと休もうよ。」

天音はこうやって止めとかないと勝手に行ってしまいそうだ。

「アタシのリュックの中に水が入ってるから飲んで良いよ。」

それは有難い。
まずは重たいリュックを地面に降ろして解放感に浸り、次にTシャツの上に着ていた長袖のネルシャツを腰に巻いて爽快感を味わう。

汗が引くまでこうしていよう。

「じゃあ水ちょっと貰うわ。」

自分のリュックの中にも凍らした緑茶が入ってる事をを思いだしたけど、水が飲みたかったので天音のリュックの中を探った。

リュックの中には色んな物がごちゃごちゃ入っている。明らかに300円を越えているお菓子達を脇に追いやると、重箱(二段重ね。)が布に包まれているのを発見した。それをリュックから出すと底にペットボトルボトルらしきものを見つけた…が、

「天音…これ…1.5リットルだろ…。しかも2本…。」