俺はとりあえず開いた口を閉じて冷静に話す様に心掛けながら言った、
「悪い。大丈夫。ちょっと小さい頃の夢を見てて、転んで…、」
言い終わる前に天音が喋り出す。
「あぁ…っ!い、いいよ。説明しなくてっ!そーゆうのよくある事だからさ…?アタシだって何回も叫んで起きたことあるし…そぅ…叫んで。」
説明する前に勝手に納得されて後味は悪いけど、これ以上何かを言うのもかっこが悪いし俺は黙って頷いた。
ふと窓の外を見て思う。
「結構遠くまで来たな。」
窓の外には見慣れない目に新鮮な景色が広がっていた。
「フタバったらかなり寝てたんだよ。アタシに寄りかかってくるしさ。」
そう天音が言って2人の体が密着しているのに気づいた。
俺は慌てて離れた。
「ご、ごめん!」
「別に良いよ。冷房が効きすぎててちょっと寒かったの。でもフタバとくっついてたから…温かかったし。」
それを聞いた俺は体が熱くなるくらい恥ずかしくなった。だから話題を変えた、
「あと、どのくらいで着くか分かる?」
「もうすぐだよ。多分…あと2駅くらいかな。」

