「ここで双葉とお喋りするのも楽しいけどさ、早く行こうよ。この前みたいに遅くなったら嫌だからさぁ。」

天音のリュックの中身が気になるとこだが、ここは素直に従う事にしよう。

そう言えば、まだどこに行くか聞かされて無かった。当日になってからのお楽しみとか言って今日まで内緒にされていたが、もういい加減良いだろう。

「なぁ。今日はどこに行くんだ？」

そう訪ねると、あぁ思い出した！と、リュックのサイドポケットから雑誌を一冊取り出し、付箋が貼ってあるページを開いて俺に見せた。

まず、目に入ったのは開かれた４６と４７ページの両方に何か飲み物を盛大にぶちまけた跡。加えて慌て拭き取ったせいで４７ページの右上部分が破れている。

「あー！そんなとこ見なくていいから！」

天音は恥ずかしそうに半分に折って４６ページの方を見るように俺に手渡した。

「四つ葉森林公園？ここに行くのか？」

ふーん。と何気無く雑誌の表紙を見てある事に気づいた。

「これ…3年も前の雑誌じゃんか。大丈夫なのか！？」

と、初っぱなから不安を抱えた出発になった。