一目惚れだった。

「あのっ、大丈夫ですか?」

「バス停がどこかわからなくてねぇ〜」

「私、案内しますよ!」

「本当に?助かるわぁ〜」

明らかに困っていることがわかるお婆さんを見つけても、誰も動かない。

俺は、昔から困っている人を見かけたら黙っていられないタイプだった。

でも、別に声をかけない人をダメな人間だと思ったことはない。

自分の特にならないことは本能的に避けるのが当たり前だと思っていたけど、彼女がなんの躊躇いも