死んでしまったあなたと、死ぬはずだった私の一年間

「そうでしたか!この度は、本当にご愁傷様でした。それから、娘を助けてくださりありがとうございました」

お母さんが慌てて立ち上がり、前に立っている女性に頭を下げた。

「いえ、あの子は反射的に人を助けてしまう癖があるくらいですから」

そう言いながら、私を助けてくれた人、快斗さんのお母さんが私の前にしゃがみ込んだ。

「ごめんなさいね。あなたに辛い思いをさせて……」

「いえ……こちらこそ息子さんを私のせいでっ……」

こんな時でも、私の心配をしてくれる快斗さんのお母さんを直視できなくて、俯いてしまう。

「あなたのせいじゃないわ。快斗が自分で決めてあなたを助けたんだから」