死んでしまったあなたと、死ぬはずだった私の一年間

「それはまあ、あれだよ……」

「どれ?」

快斗くんが口をモゴモゴさせて喋っているからよく聞こえない。

「ほらっ!えりちゃんが悲しんでないかなーって思って!」

「なるほど……」

「そんなことよりえりちゃ……」

「ただいまー。えり、起きてるー?」

快斗くんが何か言おうとした時、お母さんがいつもより早く帰ってきた。