快斗くんは学校に行っていないのと、中学二年生だからなのもあって、

私の宿題を見ても、動揺していない。

「あら、カイくん、えりの勉強を見てくれているの?そんなのしなくていいのに」

「いえいえ、居候させてもらっているのでこれくらいさせてください」

「そう?ありがとうね」

そう言いながらお母さんはお菓子を持ってきて、快斗くんと話し始める。

……勉強してる人の前で楽しそうにして欲しくないんだけど……。

快斗くんの姿は、お母さんには快斗くんじゃない人に見えているから、一応名前も

変えて教えてある。

「そうだ、あなたたち、海の家に行かない?」

「海の家……?」

「ええ、私の従兄が経営しているところなんだけど、えりも行ったことなかったでしょ?」

「でも、いいんですか?俺、居候させてもらってる身なのに、海の家まで行かせてもらっちゃって……」

私は乗り気だったけど、快斗くんは申し訳ないと思っているのか、眉を寄せている。

「いいのよ。二人で楽しんでいらっしゃい」

お母さんが柔らかく微笑むと、快斗くんも納得したのかありがとうございます、と