死んでしまったあなたと、死ぬはずだった私の一年間

目の前にいる牧野くんが牧野くんじゃないみたいで、次第に視界が滲んでくる。

「ちがっ……!そんなつもりで言ったんじゃっ……!」

「ストーップ!」

……え?

後ろから快斗くんの声が聞こえて、同時に、柔らかい感触もする。

「えりちゃんは俺の彼女だから、その手、離してもらってもいい?」

快斗くんがそう言って、牧野くんは慌てて私から手を離す。

「あんたが、安斎の、彼氏……」

「そ。ごめんね、えりちゃん。飲み物を買ってたら遅くなっちゃった」