「まぁ普通の話ですよ
元気?とかそんな感じの
岩本は何も反応しなかったから私が一方的に話し続けたんですけどね…」
「そうですよね…」
「でもあることに気づいたんです」
「あること…?」
「岩本の視線の先をたどるとテニスをしていた部員の方を見ていたんです
そして少しだけ目付きが変わってたんです
何て説明したらいいのか分からないんですけど…」
「無理に説明しなくても大丈夫です…」
「すいません…
まぁだから私は賭けたんです
まだ岩本に少しでも感情が残っている方に」
「はい…」
「だからその感情にうったえたんです
みんな楽しそうにやってるよ
岩本もみんなと一緒にやりたくない?
そう言ったら急に頭を抱えて走り出したので焦りました…」


