軽くお辞儀をしてその場を立ち去ろうとすると
バシっと腕を掴まれてしまった。
その途端、体がビクッとなってしまった。
「待て。…お前、名前は?」
掴まれている腕に全て神経が持ってかれてるんじゃないかってくらい
さっきまでの威勢は完全に無くなった。
「……離して。」
自分の体が悲鳴を上げた時だった。
__キーンコーンカーンコーン
手が震え始めたところで、チャイムが鳴った。
手の力が緩んだ一瞬の隙に男の手を振り下ろした。
そのまま明那の手を取り、靴箱まで走った。
「ーーーおい!」
男が呼び止める声が聞こえたが、無視して走った。
