愛華は俺にとって大切な妹でたった一人の家族だった。


そんな愛華に病気が見つかってしまい治療を続けなければ愛華は死んでしまうと医師に告げられる。


俺と愛華の口座には愛華の病気を治療し続けるだけのお金はなかった。


幸運なことに俺のビジュアルはよくどこに行っても告白が絶えなかった。


これを生かせば愛華の治療費を稼ぐことができるかもしれないと思い俺はホストの道へ足を踏み出した。


厳しい下隅時代もあったけれどお客様のおかげもあって数カ月後には№1を取ることができた。


しかしVioletにはナンバー入りをするとキャラ付けされるという伝統があり俺は正反対の極悪キャラが与えられた。


本当の自分を出していいのは愛華の前と店長の前だけだ。


全ては愛華の治療を続けるため。お客様は俺についてきてくださると信じて俺は極悪ホストを演じぬいた。


№3に成り下がった俺様キャラ担当である先輩からのアドバイスで金の羽振りの悪いお客様は切っていくことにした。


その結果が俺に切られてしまったお客様による集団自殺だ。


こんなことを招いてしまった俺にはもう誰を迎えに行く権利もないと思った。民がせわしなく動く中で動き出すことができなかった。