「何か見えたりした?」
「えーっと、少しね。 でも通りすがりって感じの人だったから心配しなくても大丈夫そうだよ」
「そっか。 とりあえず俺は、今からプレイホールに行って写真撮ってくるよ。 桜井先輩から「写真撮れそうだったらあちこち撮ってきてー」って連絡来てたんだ。 だから今のうちに撮ってくる」
「わかった。 何か写ったら教えてね。 あと、十分気をつけてね?」
「うん、わかってる。 じゃああとでなっ」
相変わらずの爽やかな笑顔を見せたあと、倉本くんは駆け足で去っていった。
──そのあと、荷物を持って割り当てられた部屋へと移動する。
同じ部屋の子たちはほとんど全員が揃ってるみたいで、ベッドでゴロゴロしたり床に座りながらお喋りをしたり、それぞれ自由に過ごしているみたい。
……部屋の中に、幽霊の気配はない…と、思う。
これなら夜も大丈夫そうだ。
フゥ、と一息ついたあと、ドアから程近い位置のベッドへと歩き出す。
誰がどのベッドを使うかは事前に決められているので、迷うことなく自分のベッドへと腰かけた。
私は出入口に一番近いところの二段ベッドの下段。
上段は穂乃果ちゃんで、その隣のベッドの上段が沙綾ちゃん。
私の隣のベッドの下段は、隣のクラスの女の子。 ということになっている。
穂乃果ちゃんと沙綾ちゃんは、今は窓際に行って外の景色を見てるみたい。
何かを話しながら、写真を撮ったりしているらしい。
隣のベッドの子も、今はどこかに行ってるみたいだから……私の近くには誰も居ない状態だ。
学校だと結構色々な人に声をかけられるけど、こういう時はやっぱり一人になっちゃうなぁ……。
なんてことを思いながらも、一人の時間が持てることに少しだけホッとしていた。



