確かに…知らないまま行くよりは良いか……。
うっかり幽霊に反応する可能性は低くなるし、体質のことがバレないように上手く立ち回ることも出来るはず。
新しく出来た友達と過ごす一泊二日は、ただ純粋に楽しみだったけど……気を引き締めて行こう。
あ、そういえば……「幽霊が見える」という体質のことは、倉本くんに話しといた方がいいかな?
これから一緒の同好会で過ごすわけだし、合宿の時に もしも“何か”が起きた場合……知っててもらえた方が都合が良い気がする。
サイトのことを秘密にしようと即座に言った倉本くんなら、きっと私の体質のことも秘密にしていてくれるはず。
だから私は「話してもいい」と思うけど、郁也先輩は…どうだろう?
「あの……郁也先輩。 体質のこと…私は倉本くんに言ってもいいかなって思ったんですが、郁也先輩はどうですか?」
「あぁ…そういえばとくに何も話さなかったね。 でも俺も芽衣子さんと同意見。 倉本は「受け入れてくれる側」だと思うから、明日になったら話そうか」
「……はいっ」
不安がないわけではないけれど、それでも郁也先輩が同意してくれたことは心強い。
「倉本は桜井先輩の縮小版みたいなものだから、合宿の時もきっと助けになってくれると思う」
「ふふっ…確かに。 私もそんな風に思ってました」
なんて言いながら二人で笑い合うけど、横に居る桜井先輩はあまり意味がわかっていないようで、頭にクエスチョンマークを浮かべながら首を傾げている。
「俺と倉本が似てるって……もしや顔か?」
と、終いにはドヤ顔する始末。
そして郁也先輩に、
「それはないです」
と即座に斬り捨てられた。



