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週明け、月曜日の放課後。



「どうも、倉本(くらもと) 蒼葉(あおば)って言いますっ。 同好会に入会したくて来ましたーっ」



心霊現象 研究同好会が使ってる空き教室に、一人の男子がやって来た。



「倉本くんっ……!?」

「って、諏訪じゃんっ。 この同好会に入ってたんだ? 同じクラスなのに全然知らなかったーっ。 これからよろしくなっ」



……にこやかに言う彼──倉本くんは、私と同じクラスの人だ。

芸能人顔負けのイケメンで、明るくて、爽やかで、人当たりの良い人気者。

当然のようにクラスの中心的存在となっていて……私が大の苦手としてるタイプの男子……。


苦手な理由はもちろん、中三の時のアイツらと似た雰囲気だから。

爽やかな顔をしながらも、実は裏では危ないことをしてるんじゃ? と警戒してしまう。

そんな彼が、まさか心霊現象 研究同好会にやって来るとは……。



「うわ、蒼葉っ? 久しぶりーっ」

「梨乃先輩っ、お久しぶりですっ」



……って、梨乃先輩と顔見知り……?



「樫村、知り合いなの?」



と首を傾げる桜井先輩に、梨乃先輩が笑顔を見せる。



「うん、同じ小中学校の後輩っ。 ていうか三組に倉本(くらもと) 若葉(わかば)って居るでしょ? 蒼葉は若葉の弟だよっ」

「あぁー、倉本の弟か。 確かに雰囲気が似てるな」



……なるほど、いわゆる幼なじみってやつなんだ。

実際に会ったのは久しぶりみたいだけど、じゃれ合ってる二人は確かに姉弟のように見えるかも。