「んー。 有り得るとするなら、前者かな」
前者。
というと、梨乃先輩は郁也先輩が好きってこと?
「少なくとも俺にはそう見えるね」
「なるほど……」
「まぁでも、実際はわからないよ? 俺に内緒で付き合ってるって可能性もなくはないし。 気になるなら直接 樫村に聞いてみたら?」
「んんー……じゃあそのうち、聞けそうな時があったら聞いてみます」
「うん」
……梨乃先輩とは昼夜問わずにメッセージのやり取りをしてるし、放課後も空き教室で色々と話をしている。
でも、いわゆる恋バナというのはしたことがない。
というか、週末のことを話してたっていうのがほとんどだから、当然と言えば当然なんだけどね。
今までは「みんなで楽しく」が当たり前だったから、深く考えたことはなかったけど……もしも二人がお付き合いすることになったら、素敵だな。
いつも明るくて元気で楽しい梨乃先輩と、優しくて結構面白くて、時には鋭くツッコミを入れる郁也先輩。
二人の掛け合いは見ていて楽しいし、あったかい気持ちにもなる。
そんな二人が恋人同士になったら心の底から嬉しいし、私も幸せな気持ちになると思う。
というか……肩を寄せ合いながら眠ってる二人を見ると、「お似合い」以外の言葉は見つからない。
お互いに気を許して、体を預けて、すっかり熟睡モードだ。
そういう風に出来るのは純粋に凄いと思うし、なんとなく羨ましくも感じる。
まだお付き合いをしていないとしても、この先はきっともっと距離が近くなる。
そうなっていったら嬉しいな。
とボーッと考えていた時に、桜井先輩がまた静かに声をかけてきた。
「諏訪ちゃんはさ、神代のことどう思ってる?」



