それから、神代に僅かに笑顔を見せた。



「今までずっと、話 聞いてくれてありがとな」

「……いえ、俺はいつも無責任に言いたいことを言ってただけなので。 色々、すみませんでした」

「色々言ってくれたからこそ、自分で色々と考えることが出来たんだと思う。 だから神代が謝る必要なんてないよ。 つーことで、今回の話はここで終わりな」


「……はい」



申し訳なさそうな顔をする神代に、また笑いかける。



「なぁ、近々週末の旅行を再開しようと思うんだけどさ、どう思う?」

「あー……確かに、みんなで分担して色々やってたから だいぶ時間に余裕は出来ましたよね。 まとめたものを順次サイトにアップしていくと…夏前にはストックが無くなるかも。 なので少しずつ再開していってもいいかもしれないですね」

「うん、とりあえず最初は県内の軽めなところにしようか。 心霊スポットに初めて行く一年生たちがどう動くのかも見ておきたいし」


「ですね」



諏訪ちゃんとの関係は…きっとこの先も変わることはない。

そのことを思うと胸がチクンと痛くなるけれど、サイトのことを話していれば一時的にでも それを忘れることが出来る。

俺はサイト管理人“ジェイド”であり、そして心霊現象 研究同好会の会長だから。

今はただ、その役目を全うするだけだ。