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翌日の、放課後。



「正式の入会、おめでとー!!」

「ありがとうございますっ」



テンション高めの梨乃先輩がギューッと抱きついてきて、私もギューッとし返す。

その横では桜井先輩がニッコニコで拍手している。



「いやーしかし、諏訪ちゃんのおじいさんおばあさんが、神代と面識があったとはなぁ」

「俺もビックリですよ。 しかもここで会うとは予想もしてなかったですし」

「うんうん、俺が諏訪ちゃんを勧誘したおかげだなっ。 俺を褒めたたえてくれてもいいんだぞっ?」


「ところで先輩、昨日の写真は何か写ってました?」

「サラッと話題を変更するなよっ。 まぁ別にいいけどさー……。 えーっと、昨日の写真はね、残念ながら何も写ってなかったよ。 まだ削除してないから、一応お前も見てみて。 それと、諏訪ちゃんも」



そう言って差し出されたスマホの画面を、郁也先輩と一緒に覗き込む。

撮り始めから終わりまでを、ゆっくりと見ていく。

最初は郁也先輩を中心に撮っていたけれど、郁也先輩が幽霊の方に視線を向けたタイミングで、写真の中心も少しそっち側へと移っている。


あの時はスーツを来た男性の幽霊が見えていたけれど……。

写真で見ると、その部分に白…いや灰色? っぽいモヤがかかってるような気がする。



「中心をズラして撮った数枚には、幽霊が居た場所にモヤが広がって写ってますね。 焼肉をした時に出る煙みたいな感じ…かな」

「……あ、私も先輩と同じように見えてます。 白と灰色の間…みたいな。 あ、次の写真ではもう見えないですね。 先輩の視線が完全にそっちに向けられてるから……幽霊が超絶 嫌そうな顔をして消えたタイミングがここだと思います」

「あー、確かに。 あれは相当 嫌そうな顔だったよね」

「目をギラギラさせてた桜井先輩のこと、かなり引いた顔で見てましたもんね……」

「うん、あれはヤバかった。 桜井先輩の方が普通に怖かった」