そう。
純粋に、ビックリしたんだ。
私の知ってる先輩と違っていて、まるで別人みたいで……だから凄く驚いた。
あんな顔もするんだ、って。
あんな甘い声も出すんだ、って。
先輩の、見ちゃいけない部分を見てしまったんじゃないか、って……そう思った。
一後輩である私なんかが見ちゃいけない部分。
ああいうのは……恋人にするようなこと、だと思うから……。
「驚かせてごめんな」
「……今後はしないって約束してくれたから、もういいです」
「うん」
ゆっくりと、先輩の隣に腰を下ろす。
その先輩は私に微笑みを見せたあと、小さく静かに息を吐き出した。
「合宿、途中で終わって残念だったね」
「……はい。 でも、友達とは凄く楽しい時間を過ごせたのでよかったです。 あ、実は同じ班だったみんなが同好会に入りたいって言ってくれてるんですが、大丈夫…ですよね?」
「もちろん大歓迎だよ。 あぁそういえば倉本から聞いたけど、みんな諏訪ちゃんの体質のこと知ってるんだよね?」
「あ、はいっ。 成り行きで色々と話すことになって……。 でも誰も嫌な顔はしないで、私の体質を受け入れてくれたんです」
「そっか。 あー……ちなみにだけど、卒業式前日の話もしたの? ほら、例の動画の彼らの……」
「いえ、それは言いませんでした。 さすがにあれは…言いにくいことなので」
さっきのことがあったから、まだ少しぎこちない感じだけど……それでも先輩と 普段と同じように言葉を交わしていく。



