「今日、諏訪さんの体質のことを聞きました。 というか偶然に知ってしまいました。 俺たちは、それを知った上で諏訪さんを受け入れている。 一緒に活動したいって思ってるんです」
「あら、もう知ってたのね」
「はい」
「んー……。 ちょっと聞くけど、心霊現象を研究してるっていうのは、具体的には どういうことをしているの? 心霊スポットを巡って、写真を撮ったりするだけ? それ以外にも何かあるの? たとえばほら、降霊術?とかっていうのをやってたり? まさかとは思うけど、悪巧みで芽衣子を使う気じゃないでしょうね?」
さっきまでの雰囲気とは、少し違う。
おばあちゃん……ちょっと怒ってる……?
「写真は もちろん撮ります。 スマホとデジカメと、あとはビデオカメラで動画もですね。 廃屋とか廃病院に入る場合は、必ず管理してる人に連絡をして許可を得てから中に入っています。 撮影は、基本的には昼間です。 でも管理人が同行してくれるのなら夜間に入ることもあります。 と言っても、遅くても二十一時までですね。 それ以降の時間は、外での活動は絶対にしません」
「……へぇ、案外 ちゃんとしてるのね」
「はい、会長がかなり真面目な人なので。 泊まりの時は ちゃんとしたホテルや旅館を事前に予約して、身分を提示して、親の同意書も持参で泊まってます。 俺の場合は…同意書は自分で書いちゃってますけど、でも親は同好会の活動を認めてくれてるので、まぁいいか、という感じで……」
「ふふっ……そうなのね」
「……えーっと、それで…ですね。 心霊現象 研究同好会という名前ですけど、実際はほとんど研究なんてしてません。 簡単に言えば「心霊スポットに行って写真を撮って、何か不思議なモノが写ったらみんなでワイワイ盛り上がる」って感じです。 あぁでも、現地に行ってる時はすっげー真面目にやってますよ。 ふざけながら幽霊の本拠地に行って、呪われて帰るのは嫌なので」



