心霊現象 研究同好会



小さく頷いたあと、先輩はまた深く息を吐き出した。

話の続きはない。

ただ黙って、クッションをギューッと抱きしめているだけだ。


だから今度は、俺から声をかける。



「さっき「酷い態度を取った」と言ってましたけど、芽衣子さんと直接話したってことですか?」

「……うん。 先輩と電話してる時、諏訪ちゃんがちょうど近くに来たみたいでさ。 それで、直接話して…頭ごなしに叱っちゃったんだよ。 それだけじゃなくて…突き放すような感じで、一方的に電話を切っちゃってさ……」

「あぁ……なるほど、大体わかりました」



先輩が厳しく注意したのは、芽衣子さんを思ってのことだ。

だから それ自体に問題があるとは思わない。

仮に俺が第一報を受けていたら、同じように叱っただろうしね。


問題なのは……突き放す感じで電話を切ったこと、だな。

そしてそれは桜井先輩自身もわかっているし、わかっているからこそヘコんでるんだ。



「……諏訪ちゃんの過去を知ってるのに、突き放すなんて最低だよな……」



うなだれる先輩を見ながら、小さく息を吐く。

それから、少し間を置いてから言う。



「……桜井先輩は同好会のリーダーですから、芽衣子さんを叱りつけたこと自体は「責務を果たした」と言えます。 理由があって叱られたということは彼女もわかっているので、そこは大丈夫だと思います。 ただ……突き放すような態度を取ってしまったというのは、やっぱり良くはありませんね」

「……うん」

「後悔してるなら素直に謝るしかないです。 そして、これこれこういう理由でああいう態度を取ってしまった。 と、芽衣子さんにきちんと説明してください。 自分で掘った溝は自分で埋めるしかないですから」