心霊現象 研究同好会

「で、どうしたんですか?」

「……授業中に倉本からのメッセージを見て、パニックになって、「具合悪いから帰る」って先生に言って、教室飛び出した」


「そしてそのまま宿泊施設に向かった、と」

「うん。 その途中で智樹先輩に電話をかけて、マジでマジなんだっていうのを聞いた。 そしたらもっとパニックになって、気持ちがこう、グワーッとなって、訳わかんなくて、グチャグチャで……」



……智樹先輩、ね。

その人は十中八九、倉本のメッセージに書かれていた佐藤 智樹さんという人だろう。

施設のスタッフで、俺や芽衣子さんと同じように…幽霊が見える人。


倉本からのメッセージには、


【 同じ班の男子が女性の幽霊に取り憑かれましたが、佐藤 智樹さんという施設のスタッフさんに助けてもらったので無事です 】

【 智樹さんは諏訪や神代先輩と似た体質らしいです 】

【 それと、諏訪は自分の体質のことを班のメンバーに話しました 】

【 神代先輩のことは言ってませんのでご安心を 】

【 智樹さんは信頼出来る人だと思います 】

【 合宿が終わったら先輩たちとも会ってもらえないか、このあと智樹さんに聞いてみます 】


と書かれていた。


桜井先輩が「先輩」と呼ぶのだから、恐らくは一つ上か二つ上の学年の人。

それ以上 年齢が離れると、なかなか「先輩」とは言いにくいと思うしね。


……そういえば、さっきまで一緒だった樫村先輩は佐藤 智樹さんのことは知らないみたいだった。

この人のことを知ってるなら、俺に向かって「佐藤さんってどんな人なんだろうね?」とは絶対に言わないはずだ。

それに、俺もこの人のことはまったく知らない。


桜井先輩の一つ上の先輩なら、顔を合わせる機会くらいはあっただろう。

けれどそういったことは一切なかったし、樫村先輩も面識はない。

となると、学年は恐らく二つ上。

桜井先輩が同好会を立ち上げた年は、樫村先輩はまだほとんど活動には参加せずに帰宅部状態だったらしいから……その先輩と面識がなくても当然だ。