あの時のことは、全部 私が悪い。
それがわかっているから、勝手に伝えてごめんと謝る智樹さんを責めることはない。
本当にアレは、自業自得のことだから。
「あのー、ちょっといい?」
と、今まで黙っていた如月くんが、私を見ながら声をかけてきた。
「無茶しようとしてた。って、なんのこと?」
あ……しまった。
智樹さんしか知らないことを、如月くんが居るのに言ってしまった……。
「えっと、それは……」
「あーそれは俺が言う。 見たまんまのことを教えるよ」
そう言った智樹さんが、あの時のことを事細かく話し始めた。
私が口を挟む隙間もないほど、スラスラと。
「──ということで、ギリッギリのところで俺があの女を引きつけましたとさ」
「……へぇ、そんなことがあったんですね」
話を聞き終えた如月くんが、ジロリと私を見る。
怒ってる…というよりは、呆れ顔だ。
「まったく……そりゃあ同好会の先輩も怒るわけだよ。 その先輩が怒ってなきゃ俺が怒号浴びせてるところだっつーの」
「……ごめんなさい」
「ま、反省してるみたいだからこれ以上は何も言わないけど。 あぁそれと、みんなには引き続き秘密ってことで。 透は静かに怒ってくるからメチャクチャ怖いし、蒼葉は多分 同好会の先輩と同じ感じでメッチャ怒ると思う。 で、桐生と住吉はとにかくウルサイ。 このことがバレたらもう班活動どころじゃなくなっちゃうと思うから、バレるならせめて合宿が終わってからっつーことで。 智樹さんもその方向でお願いします」
如月くんが、ペコリと頭を下げた。
それに対する智樹さんは優しく笑っている。
「オーケー、他のみんなに何か聞かれても そこは上手く誤魔化すよ」
「よろしくです。 ……っと、玄関のところに見えるのは透たちかな? 智樹さん、俺ちょっと向こう行ってくるんで、諏訪のことお願いしてもいいですか?」
「ん。 向こうは頼むわ」
「はい」
私の頭をポンと叩いたあと……如月くんは玄関のところへと駆けていった。



