【 諏訪 芽衣子side 】
………
……
…
その後。
玄関で靴を履き替えた私たちは、智樹さんが居るだろう場所へと向かって歩き出した。
と、すぐに道の横にある花壇の縁に腰かけている智樹さんを見つけたけれど……どうやら今はスマホで誰かと電話中みたいだ。
な、なんか……ちょっと怒ってる？
「──……だーかーらぁー、それはマジで悪かったって。 つーかお前だって人のこと言えねぇじゃんかよ。 諏訪ちゃんと倉本くんが同好会のメンバーだなんて聞いてねぇぞ？」
……ん？
私と倉本くんの名前が出た？
ていうか、「同好会」って言った……？
「と・に・か・く、詳しいことはあとでちゃんと話すよ。 あ、お前ぜってーこっち来んなよ？ 来たって中には入れないし、無断で侵入したらマジで警察呼ぶからな。 あぁ諏訪ちゃん、ちょうどよかった。 少しコイツと話してくれない？ 諏訪ちゃんの声聞きゃ多少は落ち着くだろ」
「……あ、あの……？」
「桜井、諏訪ちゃんに言いたいことがあるなら自分で言え。 いいな？ じゃあ代わるから」
え？
桜井…って桜井先輩のことっ……!?
「と、智樹さんって桜井先輩と知り合いだったんですかっ……!?」
「その辺もあとで話すから。 はい、スマホ」
「あっ、はいっ……!!」
訳がわからず、パニックになりながらも……スマホを受け取る。
画面に表示されてる名前は、【 桜井 健吾 】。
一緒に表示されてる電話番号も……私の知ってる桜井先輩の番号…で合ってると思う。
本当に本当に、私の知ってる桜井先輩……？
「あの……もしもし……？」
『諏訪ちゃんっ!! なんで危ないことしようとするんだよっ!!』
「……っ……ご、ごめんなさいっ……!!」
初手で、メッチャ怒られた。
でも……間違いなく桜井先輩だ。
