囲ってるのは、やっぱり倉本くんのファンの子たちだ。
……私から見れば大活躍だったのは間違いなく如月くんだけど、倉本くんのことしか目に入っていない彼女たちにとっては「大活躍したのは倉本くんただ一人」なんだろうな。
確かに倉本くんも活躍してたけど、一番輝いていたのは如月くんだ。
それは同じクラスの人たちなら当然わかっているし、倉本くんも…絶対そう思ってるはず。
だからこそ今、苦笑気味に笑っているんだと思う。
「えっと…みんなもお疲れ。 悪いんだけど、俺ちょっとスマホでやらなきゃいけないことがあるからすぐ部屋に戻りたいんだけど、もう行っていい?」
「あ、引き止めちゃってごめんねっ!! またあとで話せたら話そっ!!」
「うん、そのうちね」
私たちが近くまで来ているのには気づいているだろうけど、特にこっちに視線を向けることはなく……倉本くんはそのまま駆け足で廊下を進み、階段を上っていった。
最初から一緒に居ただろう龍泉寺くんのことも置き去りにしたままで。
倉本くんが居なくなると、近くに居た女子たちもみんな一気にバラけていった。
彼以外のことはまるで興味がなく、彼の友達である龍泉寺くんには目もくれずに、だ。
……私だったら、好きになった人の友達のことも普通に大事にするけどなぁ。
でも倉本くんのファンの子たちは違うみたいだし、むしろ「邪魔」とすら思ってそうな勢いだ。
「なんなのあれ。 馬鹿みたい」
と、沙綾ちゃんが呆れたように言う。
「そりゃ倉本くんも活躍はしてたけど、誰がどう見ても一番は如月くんじゃん」
「うちのクラスにも倉本くんのファンは多いけど、さすがにドッジボールは如月くんが一番だって認める以外はなかったよね。 他のクラスの子って、なんていうか……一直線で、過激だね」
「ほんと。 過激派の子たちと同じ部屋割りじゃなくてよかったよ」



