「いやぁ勝った勝った、楽しかったぁー!!」
レクリエーション前の真っ青だった顔が嘘かのように、今の如月くんは清々しく満足げな顔だ。
「くそぅ…如月くんに負けた……」
一方で、少し悔しそうな顔をするのは沙綾ちゃんだ。
どうやら二人は、どっちが多く敵を倒せるかの勝負をしてたらしい。
で、沙綾ちゃんは大敗したみたい。
それもそのはず。
如月くんは最初から最後までずーっと凄かったもん。
試合を重ねていけば当然疲れも溜まって 少なからず動きが鈍くなるはずなのに、如月くんはまったくそんなことはなかった。
まず集中力がハンパなくて、まるでプロの選手かと思うくらいの洗練された動きが続いて……試合中だというのに見惚れてしまうくらいだった。
……かく言う私は、どの試合でも早々に外野送りにされてしまったけど。
でも自分なりには精一杯にやったと思う。
一生懸命にボールをキャッチしたし、パスもしっかり繋げることが出来た…はず。
クラスメートと協力してやる。 っていうのは、中学までの私にとってはただただ苦痛な時間だったけど。
でも今日は……本当にすっごく楽しかった。
試合に勝ったあと、みんなとハイタッチしたり抱き合ったり……あまり会話したことがない人とも興奮しながら話して、一緒に笑い合ったり。
体はクタクタだけど、でも全部が全部楽しくて、最高で、幸せだ。
「幽霊怖い幽霊怖いってあんなに青くなってたくせに……」
「ふっふっふ、俺の力を思い知ったかっ」
「……あっ、如月くんの背後にお爺さんの幽霊がっ」
「ギャーやめてくれッ!!」
そんな風にじゃれ合う二人を見ながら、集まってたクラスメートみんなで笑い合う。
と、そこに智樹さんがやって来た。



