思わず大きめの声が漏れてしまったけど、試合に熱中してる人たちには聞こえていないようだし、近くに人も居ないから……多分大丈夫。

キョロキョロと辺りを確認した沙綾ちゃんが、フゥと息を吐いてから真っ直ぐに私を見た。



「ほら、食堂で。 龍泉寺くんと倉本くんが来た時に妙な声出てたじゃん」

「う……それは……」

「あの時はまだ龍泉寺くんに幽霊が取り憑いてるって知らなかったからスルーしたけど、知ったあとだとタイミング良すぎるし もうそれ以外は考えられないんだよね」



……気づかれた。

自分の不注意のせいだけど、それでも……気づかれてしまった。



「めいちゃんって幽霊が見えるの? それってあのスタッフさん…智樹さんと同じってこと??」



一緒に居る穂乃果ちゃんが、ビックリした顔で私を見る。

……もう、誤魔化したってダメだろうな。

でも頷きたくない。

見える人間だと頷いて頷いてしまったら、好奇の目で見られて……小中学校の時みたいに気持ち悪がられると思う。

せっかく仲良くなったのに、また全部…ダメになる……。



「えーそれなら早く言ってくれたらよかったのにっ。 メッチャ凄いし、なんかカッコイイねっ」

「……え……?」



穂乃果ちゃんが、どこか楽しそうに笑う。

……カッコイイ?

私の、この体質が……?



「ねぇねぇ、もしかして「心霊現象 研究同好会」のメンバーってみんな特殊能力持ってるの? じゃあ倉本くんも何か凄い力あるのかなっ?」

「え、えっと……」

「あ、ごめん。 特殊能力って秘密の力だからそんな気軽に言っちゃダメだよね。 めいちゃんの力も内緒にするから心配しないでねっ」


「……あ、ありがとう……」



……なんか、思ってた反応と全然違う。

ごくごく普通に、受け入れてくれた……?