「さっ、まずは片付けを済ませよう。 こっから裏に入れるからついてきて」
「……はい」
出来れば倉本くんも一緒がよかったけど……でも今はこの人について行く他はない。
この人と話せる機会は、ここを逃したらもう無いかもしれないし……。
「えーっと、君の名前はなんつーの?」
「あ……諏訪です、諏訪 芽衣子…と言います」
「オッケー、諏訪ちゃんね。 俺は佐藤 智樹。 オーナーも佐藤だから、俺のことは智樹でいいよ」
「わかりました」
最初に紹介があった時に名前も聞いたはず…だけど、実はまったく覚えてなかったんだよね……。
そんなに接点もないだろうし、用がある時は「スタッフさん」でいいいか、って思ってたから。
だから名前を教えてくれたのはとてもありがたい。
その後、智樹さんに導かれるまま普段は入れないスタッフオンリーのドアを抜け、厨房へ。
ゴミ袋を指定の場所に置いたあと、近くには私たち以外 誰も居ないことを確認してから静かに静かに声をかけた。
「あの……智樹さんは、私と似た者同士…ってことは、つまり……」
「うん、見えてるよ」
何が? とは聞かなくてもわかる。
だって、直接的な言葉がなくても「似た者同士」の時点でそうだとわかるから。
智樹さんには幽霊が見えている。
この人は、私と同じような体質の人なんだ。
「諏訪ちゃんさぁ、リーダーくんに憑いてた奴を自分に憑けようとしてたっしょ? いやぁ焦った焦った、俺がこっそりやろうと思ってたことを必死の形相でやろうとしてる子が居るんだもん、マジで慌てちゃったよ」
「えと……なんかすみません……」
全然自覚はないけど、私、そんなに必死そうな顔してたのかな……?
「十五、六歳の女の子が一人でなんとかしようとしたって、どう考えても無理があるだろ」
「……でも、龍泉寺くんは大事な班の仲間なんです。 だから私……」
「友達のためなら自分が犠牲になってもいい、って? んなアホなことして、リーダーくんが喜ぶわけねーじゃん」



