「あのー、なんで俺らなんですか? 他にも手が空いてる奴はいっぱい居ると思うんですけど」
と、一人の男子が問いかける。
他の人たちも同じ疑問を持っているみたい。
それでもスタッフさんは、やっぱり笑っている。
「んー、とくに理由はないけど、なんとなく目に止まったからかなぁ」
「えー……」
「まぁ他の奴らにも後々手伝いは回ってくるから、最初に済ませとく方がいいだろ。 休憩時間返上で悪いけど、先生たちの指示に従って事前準備よろしくっ」
「……はーい、わかりましたー……」
……よかった、ただただ準備のために呼ばれただけだった。
他の人たちにも手伝いが回ってくるのなら、スタッフさんの言う通りサッサと済ませておいた方がいい。
このあとまだまだ体を動かす時間が続くから、余力があるうちに手伝いは済ませておきたいしね。
だから他に呼ばれた人たちも、不服そうにしながらも廊下の向こうで待っている先生たちのところへと歩き出した。
「あ、ごめん。 君はこっちの手伝いしてくれる?」
と言ったスタッフさんが、私のことを見て微笑んだ。
「……え、私……?」
「うん、昼食で出たゴミを裏に運ぶ手伝い。 つーことで、先生ー。 この子はごみ捨ての手伝いをしてもらうんで、こっちで借りますねー」
スタッフさんは離れた位置に居る先生たちに声をかけたあと、戸惑う私の背中を押しながら歩き始めた。
「か、片付けなら私じゃない別の人を新たに呼んだらいいのではっ……?」
「他の奴を呼ぶの面倒臭いから無理。 つーか君の方が俺と喋りたいんじゃねーの?」
「えっ」
「似た者同士だろうし、仲良くしようぜ」
「……っ……」
この人……やっぱり私の体質に気づいてる……。
だから私を手伝いのメンバーの一人として近くに呼んで、更には今こうして別の業務をするように指示して……二人で話す時間を作ったんだ。



