片付けの時、男子たちから少し離れた私と穂乃果ちゃんと沙綾ちゃんは、短いやり取りで今後のことを話した。
本当は穂乃果ちゃんと龍泉寺くんを二人にするために「夜の散策の下見に行こう」と誘うつもりだったけど、それはやめる。
さっきのこともあるし、あまりウロウロはしない方がいい。 と三人とも思ったからだ。
そして、今はなるべく他の生徒や先生の居るところでみんなで過ごそう。 ということになった。
……となると、倉本くんと二人で話すのは厳しいかな……。
一、二分でいいから、どこか人目のつかないところで話せればいいんだけど……。
「諏訪、ちょっといい?」
「え?」
ふと、頭に思い浮かべていた倉本くん本人が私に声をかけてきた。
もしかして、何がなんでも二人きりになるつもり……?
周りの人が結構残ってるところで、目立つ行動は控えたいんだけど……。
「えっと……どうしたの?」
いきなり倉本くんついて行くのは、他の女子の目が怖すぎるから……とりあえず質問として言葉をかけてみる。
そうすると倉本くんは、なんだか困ったような顔でドアの方を指差した。
「いや、それがさ……あのスタッフさんが、諏訪のこと呼んでるんだけど……」
「……えっ?」
見れば、そこには例のスタッフさんが居て……ニコニコしながらこっちを見ている。
倉本くんと話すための呼び出しじゃなくて、私を呼んだのはあのスタッフさん……!?
「な、なんで? え、ほんとにっ……?」
「うん、「あの子呼んできてくれる?」って言われて」
「……いや、えっと、ほんとになんで? あのスタッフさんが、私に用があるってこと……?」
「んー……理由までは聞いてないけど、でも見ての通り、呼んでるのはマジのことだよ」
ニコニコ顔のスタッフさんは、今度は私に向けて手招きをしている。
うわぁ……本当に呼ばれてる……。
ていうかスタッフさんの背後にあの女性の幽霊が憑きっぱなしだから、あんまり近づきたくないんだけど……。



