「あの……みんな。 ちょっといいかな」
と苦笑気味の龍泉寺くんが、引いたばかりのクジをテーブルの真ん中に置いた。
「夜の散策は、一番最後に出発することになりました」
「うわ…マジかよ……」
「申し訳ない」
一番最後……。
散策後の入浴の時間が一番最後になって、その結果その後の自由時間も短くなるという…誰もが避けたがる番号だ。
「……透、早速呪われてるじゃん……」
「あぁそのことなんだけど、実はクジを引く時に頭痛も息苦しさもピタッと止まったんだ」
「あれっ、そうなのっ?」
「うん、今も全然平気。 もしかしたら、あのスタッフさんが助けてくれたのかもしれない」
「……“何か”を感じて?」
「わからないけど、タイミング的にはそう考えた方が自然だと思う」
にっこりと、それでいてどこかホッとしたように笑う龍泉寺くんを見て、如月くんと穂乃果ちゃん、そして沙綾ちゃんもまた安心したような笑顔を見せた。
一部始終を見てた私も、頭の中はまだ整理しきれていないけど……それでも龍泉寺くんの体調が戻ったことにはホッとして、笑顔を見せる。
倉本くんは班のメンバーの中では唯一笑顔がなく、硬い表情のままだった。
私に何かを聞きたそうな顔…と言った方がいい。
でも今は何も話せないから、口を噤む他はない。 と言った状態だ。
昼食を早く終えたら少し自由に動けるから、その時に話そう。
と目で必死に訴えてきているのがわかる。
だから私は倉本くんに対しても笑顔を見せた。
あとで色々話そう。というのが伝わるように。
──……それから程なくして、昼食時間がスタートした。
どこもかしこも、ワイワイガヤガヤと賑やかな状態での昼食だ。
班のメンバーは幽霊については触れず、午前中のウォークラリーの話をしている。
あそこが面白かった、凄かった、楽しかったという他愛のない話しながら、それぞれ数分でお弁当を完食した。
昼休憩はあと十分五分ほど残っているから、ここからは自由時間だ。



