……神代先輩は、私と同じ?
私と似た体質で……幽霊が、見えている……?
「樫村先輩、何個かお守り持ってましたよね? 二、三個 諏訪さんに渡しといてください」
「……あっ、もしかしてめいちゃんって『見える側』っ!? ちょっとめいちゃんっ、それならそうと先に言ってよーっ」
「まだ先輩たちが本当に受け入れてくれるかどうか わからない状態なんだから、さすがにすぐには言わないでしょ」
「えー、やっぱりそういうもの? 神代くんも話してくれたのは夏休み中だったもんねぇ……。 あ、めいちゃん これ持っててー。 私の親戚の人が神社のちょっと偉い人?をやってるんだけど、その人から貰ったお守りだから しっかり守ってくれると思うよっ」
呆然とする私に、梨乃先輩がニコニコしながらお守りを渡してきた。
……お守りを持ってると、気持ちが落ち着く。
不思議だ。
不安も怖さも、だいぶ薄れてきた。
「めいちゃん、私たちの前では ちゃんと言って大丈夫だからね?」
梨乃先輩の言葉が…嬉しい。
いつだって「私は大丈夫」と自分に言い聞かせてきたけれど、でも……言ってもいいんだ。
自分の気持ち……伝えてもいいんだ。
「……私の目には、この世のものじゃないモノが見えてます。 だから今まで……しんどいことは、いっぱいありました」
先輩たちと視線を合わせるのは、まだちょっと怖い。
だけどそれでも、言葉を紡いでいく。
「しんどいっていうのは、変なモノが見えて怖いから…って意味じゃなくて。 ……いえ、怖いですけど。 突然来られるとやっぱり普通に怖いですけど……でも私の目に映るものは全部ホンモノなのに、他の人からはわからないものだから……否定されると、やっぱり悲しくて…そういうのが辛かったんです」



