高校に入学して 間もない日の放課後。

部活勧誘のポスターが貼り出されてる掲示板の隅に、他よりも一回り小さいポスターを見つけ、思わず目を奪われる。



【 心霊現象 研究同好会に入りませんか?

 幽霊が見える人 大募集!
 もちろん見えない人も大募集!

 活動場所→西棟3階端 空き教室 】



心霊現象 研究同好会。

具体的にどういった活動をしてるかはわからないけれど、それでもその同好会に惹かれてる自分が居た。

だって、「幽霊が見える人 大募集!」と書いてあったから。

それはきっと、「見える」ということを受け止めてくれる人が居るってことだから。


……私は幼い頃から不思議なモノを頻繁に見てきた。

その大部分は、一般的には「幽霊」と言われるモノだ。


……他人とは違うということを あまり理解していなかった小学生時代は、当たり前のように幽霊のことを話し……変人だと噂され、次第にハブられていった。

小学校の時と ほとんど顔ぶれが変わらなかった中学生時代も、あまり良い思い出はない。

それでもよく不登校にならずに頑張った。 と自分を褒めたいくらいだ。


そんな私も、つい先日に高校生となった。

同じ小中学校出身の人とは関わりを持ちたくなかったので、今は自宅の隣県にある祖父母の家で暮らしている。

高校は祖父母の家からすぐのところで、知り合いは一人も居ない。

なんのしがらみもない地で新生活を送っていく。

希望に満ち溢れた新生活のスタートだ。 と、思っていたんだけど……。



「……心霊現象 研究同好会…か……」



偶然見かけた【 心霊現象 研究同好会 】という文字から、目が離せない。